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サクラ

私は、あえて”お花見”より、

日常の中でひっそりと、でも堂々と咲いているサクラを見るのが好きだ。

 

もちろん見事に咲き誇っているサクラも圧巻だけれども、

季節が来ると静かに咲いているサクラの木に気づいたとき、

木の生命力に感動する。

 

私が社会人になって10年以上住んでいた文京区のマンションの窓からは、

住宅の中にぽつんとあるサクラの木が見えて、

春になるとそこだけサクラの世界になっていた。

 

おそらく、その景色を眺められるのは自分だけだという気がしていた。

だから、朝起きては眺め、葉桜になるまで毎日自分だけの景色と思って眺めていた。

 

よく散歩していた道の途中、春日通りに面する本郷小学校の校門の両脇に

大きなサクラの木があって、満開になると、それはもう素晴らしかった。

白い校門に、ソメイヨシノの薄ピンクが相まって

いかにも日本の小学校という感じになる。

その満開の景色をたまたま通りかかった時に見かけるのも好きだった。

 

本の学校には決まってサクラの木があるなと思っていた。

ウエブを見ていたら、戦時教育の一環で植え始めたという情報を目にした。

 

少なくとも私の世代の記憶では、

戦争教育の影響を受けてはいない。

どちらかというと、国花としてのサクラ。

学校では新年度を思い起こさせる象徴のようになっていると思う。

 

大人になって、学校とサクラの組み合わせを見ると、

子どものころの思い出が凝縮しているようで懐かしくなる。

 

大人になって、いわゆる”お花見”もしたけれど、

やっぱり日常にあるサクラを眺めるのが私は好きだなと今年もまた思った。