読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

数珠

京都にある老舗数珠店の社長さんのお話を聞く機会があった。

 

私は、数珠をじっくりと眺めたことがなかった。

 

宗派によって種類が異なるということは知っていたけれども・・・。

 

玉の産地、加工の仕方、数珠の構造などなど、知ることで初めて注目ポイントが分かった。数珠は、そもそもお経を何回となえたか数えるカウンターとしての役割があるという。そう聞くと、玉の役割もすんなり理解できる。

 

ところで、日本仏教のはじまりともいえる宗派に天台宗真言宗があるが、僧侶が儀式の時に使う数珠は、天台宗のものが基本形になっているようだ。

 

天台宗といえば、千日回峰行という7年に渡る命懸けの行がある。そのとき、まだ未明の暗闇の中を走り抜け、祠でお経をとなえる際に、数珠をすり合わせて音が出るように平玉になっている種類があるという。修験道でも同じく、数珠をすり合わせて音が出るものを使うらしい。

 

自然の中で、音を響かせる数珠。山々に鳴りわたり、動物が耳をすまし、天空にも、もしかしたら音の振動は寺院にまでも伝わるのかもしれない・・・。この存在を醸し出す数珠の、もう一つの側面を垣間見た有意義な話だった。